金曜に退院した父は、
「やっぱ家が一番や」
と ホッとした様子だった。
翌週の火曜に診察があり、病院へと足を運んだのだが
「どれもマイナスですね。 しばらくレントゲン撮りながら様子をみましょう。 それでもはっきりしない場合は、PET ということで。」
結局この日も 父の肺の影の原因はわからずじまいだった。 気管支ファイバーでとった細胞をさらに培養して、1ヶ月後にレントゲン撮影ということになった。 そして次の診察日・・。
「炎症の原因がわかりました。 ○○菌が検出されました。 1ヶ月培養してやっとでる程度なので、少ないし弱いものですよ。 薬を飲めば治る病気です。 良かったですねえ 癌じゃなくって。」
「いやあ そうですかぁ。」
診察室に穏やかな空気が流れる。
「ただ、お薬を何種類か飲んでいただかないといけないのですが、皆さん自分がしんどい時はちゃんと飲んでくれるんですけど、症状が楽になったり ご主人のように自覚症状が全くない方は 飲み忘れてしまったり、勝手にやめてしまわれる方がいらっしゃるんですよね。 それで 投薬指導で入院していただこうかと・・」
「え? また入院するんですか!?」
「お薬にも合う・合わないがありまして、副作用が出た場合など 入院していたらスグに対応できるんです。 お一人暮らしということですし、ここでしたら食事の心配もありませんよ。」
ドクターは父に入院を父に勧めたが、おうち大好き人間の父は 首を縦には振らなかった。。
「大丈夫です。 ちゃんと飲みますんで・・」
「私もしっかりチェックしますし・・」
「そうですか? でしたら2週間毎の通院 ということにしましょう。 ただし、何かあったら即入院ですよ。」
この後、でるかもしれない副作用の説明や、その対処法、制限のある食物 などなど 細々と注意事項を必死にメモしながら聞き、薬をもらい 家路についた。
「いやあ お前がいとってくれて助かったわ。 手続きやら薬やら 先生早口で説明するから 何ゆうてはるんか わからんかったわ。」
「私も、菌の名前とか知らないし、カルテ覗き込んで写したのもあるけど、あとでネットで調べてみるね」
ドクターは普段使い慣れた言葉を使って説明しているだけなのだが、患者側はチンプンカンプン。 何をどう質問したら良いのかさえわからない。 医師によってこうも説明の仕方が違うのか(=患者が理解できる説明ができるか否か) と実感。 医療についても考えさせられた一日であった。
ともあれ、”影”の正体みたり!
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