2007年5月 8日 (火)

本紹介 「大工棟梁の知恵袋」

福祉住環境コーディネーター検定の試験勉強をしていて、私が一番苦労したのは 「家の構造」に関わる用語だ。

基礎・土台・束・束石・大引・根太・根太掛け etc.

 「う~ん これ どこがどうつながってるのか よく わかんないよ~」

テキストに断面図が掲載されてはいるものの、その部分の断面図だけしか載っていないため 建築関係全くのド素人の私には この図が意味しているのはなにがなんやらさっぱり!?の状態。

 「過去問にも出てたし ちゃんとわかっとかないと ヤバイかも・・」

危機感からインターネットで検索しているうちに とある方のホームページで

 「私もとても参考になりました。 家を建てる方は 是非ご一読を」

と 推薦されていた本である。

著者は、日本の木造在来工法の優秀性を追求し続け、庶民が求める「安くて丈夫で住みよい家づくり」を信条に、長年にわたり町大工棟梁をつとめてきた人だ。

「大工棟梁の知恵袋 住みよい家づくり秘訣集」  森谷春夫 著  講談社文庫

  ・ プロローグ

     見直したい在来工法の知恵

  ・ 快適で住みよい家づくりの決め手

     工程別にチェックできる住まいづくりのノウハウ

        設計編・部材編・基礎編・上棟編・屋根編・造作編・左官編・

        設備編・建具、経師、畳編

  ・ 失敗しない増・改築と住まいの維持の秘訣  

     より住みやすく、より長もちさせるアドバイス

         増・改築編  維持編

  ・ 頭のいい建売り住宅の選び方

     買う前にこれだけはしたい落とし穴チェック

  ・ 図解・日本住宅の仕組みと呼び名

最後の図説こそ、私が求めていたもの。 基礎など骨組み以外にも  屋根の形のいろいろ・継ぎ手、仕口のいろいろ、和室の名称・床の間の名称・高さによる窓の呼び名、障子の種類・窓のいろいろ(開け方による呼び名)、内壁仕上げの今昔・モルタル壁の断面・大壁と真壁 と、全く知らなかったものから なんとな~く聞き覚えていた単語が一目瞭然! 頭にすんなりとはいってくれた。

試験対策に買った本だが おうちのリフォームにも たいへん役に立った。

ただ、 ”トイレの敷居は床よりやや高く” ”洋間と和室の仕切りには差を” なんていう バリアフリーには向かない記述もあるが、それはそれなりの理由があってのこと。 「こういう考え方もあるのだ」 と 柔軟に吸収したい。

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2007年3月 8日 (木)

本紹介 「生活にあわせたバリアフリー住宅Q&A」

前回ご紹介した「定年前リフォーム」の著者溝口千恵子氏が、理学療法士の加島守氏と

住宅改修という建築上の問題だけでなく、生活を継続していく上で必要なことを見極めるための道筋となる考え方を、建築士と理学療法士の視点でまとめてみた

一冊である。

 「生活にあわせたバリアフリー住宅Q&A」  溝口千恵子・加島守 著  ミネルヴァ書房

  • 序章 バリアフリー住宅と介護保険制度の活用

介護保険料は給料から天引きされているものの、身近に介護が必要な家族がいない場合、どういった時に、どういうことに使えるのかは全く または 漠然としかわかっていない方がほとんどであろう。 序章では、介護保険制度がどういうものか と 介護保険制度を利用しての住宅改修について、どこにどう相談すればよいのか どういう業者に頼めばよいのか ということを解説している。

  • 第1章 障害に合わせた住宅改修

障害はひとそれぞれ。 その障害にあわせた住宅改修を行わえば、その人のQOL(生活の質)を上げることが可能である。 第1章では、やってよかったと実感できるような改修をするためのコツと具体的な手法を紹介。

  • 第2章 健康な、いま建てるバリアフリー住宅

いまのところ元気だから、いきなり障害に合わせて改修云々といわれてもピンとこないんだよね。 なアナタに是非ご覧いただきたい。 いまは元気な人が、将来を考えてバリアフリー住宅を計画する際に、先々どんな状況となっても対応できるような住まいの枠組みを考えるポイントを紹介している。

例えば

 * 建築基準法で決められた床の高さを確保した上で、段差を解消するにはどうしたらいいですか。 

 * すべりにくさを考えて室内と屋外の床材をえらぶときのポイントを教えてください。

 * トイレはどの程度のスペースを考えればいいですか。

 * 高齢者にとって入りやすい浴槽や設置上の注意点を教えて下さい。

などなど、階段・エレベーター・トイレ・キッチン・風呂・洗面・寝室・収納・内装・照明・電気設備・緊急通報設備 について 高齢者の特性をふまえた解説をイラスト入りで分かりやすく解説。

リタイアした後も、ずっと住み続けたい家にしようとバリアフリーリフォームを計画中の方に、ご一読いただきたい。 ただ、第2章は 建て替え(新築)や大がかりなリフォーム向けの情報が多いので

 「ここまでは経済的にちょっと・・」

とお感じになる方も多いことだろう。 その場合は、第2章から読んでから第1章に戻ると

 * 古い家屋の浴室に手すりをつける方法

 * 畳の部屋の立ち座りを楽にする方法

 * 浴室と洗面・脱衣室の段差を、大がかりな改修をせずになくす方法

 「ほぉ~ こんな手が使えるのか」

と ほっとできることであろう。 ”無理せずリフォーム”も大事である。

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2007年2月 9日 (金)

本紹介 「定年前リフォーム」

バリアフリーリフォームをお考えの方に、私が工事の前に読んで参考になった本をご紹介しよう。 

  「定年前リフォーム」  溝口千恵子 三宅玲子 著   文春新書

溝口氏は一級建築士で、バリアフリー住宅の設計・リフォームを専門とする(株)高齢者住環境研究所の代表取締役社長である。 一方三宅氏はフリーライターで、今回50代夫婦を取材しデータを集め、溝口氏が語った経験と理論とともにこの本を書き上げた。

この「定年前リフォーム」は、定年後の夫の居場所を家の中にどう確保するか また 50代は家を見直すチャンスである という視点から書かれており

  1. 家族との関係を見直す
  2. どういう生き方をしたいか将来を考える
  3. 安心して老いていける土台をつくる
  4. 親世代の失敗を活かす

という4つの章で構成されている。

第1章は夫婦関係についての見直しを勧め、 第2章はその夫婦関係を円滑に運ぶためにはどのような手(リフォーム)があるかを紹介。 まあこのあたりは興味のある方、もしくは該当する方のみが対象だろうか。

そしていよいよ第3章が ”バリアフリーリフォーム”についてで、老いが怖くない家にするにはどうすれば良いかが丁寧に書かれてある。

身体の変化に合わせて自宅を調整しながら長く住み続けるためには、次のふたつのステップが欠かせないものとなる。

  • ステップ1-元気なうちに家全体のバリアフリー・リフォームを済ませ、何かあった時に最小限の改修で対応できるようにしておく。
  • ステップ2-病気や怪我で身体に不自由がでてきた時、その状態に合わせて必要な箇所のみを改修する

現役のうちにバリアフリー・リフォームをしておき(ステップ1)、この先、自分や妻にもしものことが起きたら、その時必要なところだけを改修する(ステップ2)。 このステップ1が「土台づくり」なのである。   (略)

ステップ1のバリアフリー・リフォームをしておけば、どんな身体状況になっても「早く」、「安く」、「簡単に」、ちょっとした配慮で環境整備ができるというわけだ。

「上下階の生活パターンを見直す」 「動線を単純にする」 「スペースを確保する」 「できるだけ段差をなくしておく」 「幅を見直す」 という5つのチェックポイントをあげ、実際のケースを間取り図入りで解説している。 また、”地域との関わり” ということにも重きをおいている。

第4章は、バリアフリー・リフォームで失敗しやすいこと、不幸にも失敗してしまった例をあげている。 失敗しないためにはどうすれば良いか というリフォームを考えている人にとって一番知りたい事が具体的に書かれている。

「バリアフリー住宅専門」という宣伝文句を掲げるのに、法的、社会的な制約はない。 介護保険制度のスタート以降、高齢者対応のバリアフリー・リフォーム専門と名乗る業者が一気に増えた。 工事を依頼する側は、専門と名乗られると安心感を持つのだろうが、実際には専門といいつつ専門でない業者がいかに多いか、これまで紹介していた事例でおわかりいただけただろう。 

もちろん、相手がいい業者かそうでない業者かを見抜くためには、施主もそれなりに勉強しなくてはならない。 実際、おうちが以前 バリアフリーでないリフォーム をした時に 父は業者に”おまかせモード”でお願いしてしまい 後になってこれはちょっと・・・ な箇所がちらほらと出てきたりしているのだ。 安くないリフォーム費用、後悔しないためにも 施主側も勉強が必要不可欠なのである。

本書には番外編の第5章があり、「リフォーム」ではなく「住み替える」という選択も紹介している。 田舎に、またはその逆に都会のマンションに移り住む、リタイアメント村に移住する 等が紹介されている。  有料老人ホームも選択肢のひとつ といえるのかもしれない。

おうちは今この本でいうところの ’ステップ1’の工事を終えた状態である。 ’ステップ2’は必要なければそれに越したことはないが、土台をきっちりしてもらったので もしもの時にも な~んにも手を入れていない以前の状態よりは パニックにならずに対応できるのではないかと思う。

50代の方は必見。 そして50代でない方も、なにかしらリフォームをお考えなら是非目を通していただきたいオススメの一冊である。

   ※引用部分はすべて「定年前リフォーム」より

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